証券取引所が、企業の内部管理体制に問題があり、改善する必要性が高いとして指定する銘柄。有価証券報告書の虚偽記載などがあった銘柄のうち、上場廃止にまでは至らないと判断されたものが指定される。指定された銘柄の売買は継続されるが、通常の取引銘柄とは区別されて投資家に注意喚起がなされる。指定された銘柄の当該企業は原則1年後に内部管理体制確認書を提出して改善状況を説明し、改善したと取引所が判断した場合には指定が解除されて通常の取引銘柄に戻る。しかし、改善の見込みがないと判断された場合や、指定後最長1年6カ月以内に改善が確認されなかった場合は整理銘柄を経て上場廃止となる。投資家の利益を保護しながら企業の管理体制改善を要求することを目的に、従来の上場廃止か上場維持という二者択一の中間に位置する仕組みとして、東京証券取引所(東証)が2007年11月に導入。その後、大阪証券取引所(当時)や名古屋証券取引所(名証)なども導入した。東証の導入後、初めての指定となったのは、08年2月のIHI(本社・東京都江東区)。12年1月には、巨額の損失隠しが発覚したオリンパス(本社・東京都新宿区)が指定を受けた。15年9月、不正な会計処理が同年4月に発覚した東芝(本社・東京都港区)に対し、東証、名証双方から特設注意市場銘柄の指定がなされた。