中国の銀行融資、電力消費量、鉄道貨物輸送量をもとにした中国経済指標の通称。李克強インデックスとも呼ばれる。呼び名の由来は、2013年に同国首相に就任した李克強が遼寧省のトップである省共産党委員会書記だった07年に、省内の経済評価の際に重視する数値としてこの3項目を挙げたとされること。内部告発情報サイト「ウィキリークス」が10年に公開したアメリカの外交公電によると、李首相は駐中国アメリカ大使との会談で、中国政府が発表する国内総生産(GDP)統計は参考値にすぎず、銀行融資などの3項目のほうが経済成長の実態をつかむうえで信頼できると述べたという。発言の真偽は確認されていないが、中国政府が発表する公式統計の信ぴょう性については以前から疑義が呈されてきたこともあり、エコノミストなどからの注目が高まった。3項目の数値をどの割合で反映させるか、鉄道だけではなく貨物全体での輸送量を用いるかなどで数値に差は出るものの、調査会社などが独自に算出し、実態に近いと考えられる成長率を推計している。15年10月に中国国家統計局が発表した同年7~9月期のGDPは前年同期比で6.9%増だったが、李克強指数などを用いた推計では実際の成長率を4~5%と見る向きが多い。