イタリアの統計学者、コッラド・ジニが考案した、所得格差や資産格差を表す指標。0から1までの数値で示される。0は格差がなく、全世帯の所得が完全に同じであることを示し、1に近づくほど格差が大きくなる。日本のジニ係数は、厚生労働省が3年ごとに調査、発表している「所得再分配調査」で公表される。税金や社会保険料を差し引く前の当初所得のジニ係数は1984年以来上昇する傾向にあり、2011年は08年調査の0.5318から0.0218ポイント上がった0.5536。世帯間の所得格差は過去最大となった。ただし、税金や社会保険料を差し引き、年金や生活保護の給付を加えた再分配所得のジニ係数は0.3791ポイントと、08年の0.3758からほぼ横ばいであるため、同省は、3年間で実質的な所得格差は広がっていないとしている。また、当初所得におけるジニ係数の増加の要因について、所得の低い単身世帯や、高齢化に伴う年金受給世帯の増加をあげた。なお、経済協力開発機構(OCED)の基準によるジニ係数を比較すると、日本は加盟34カ国中、格差が大きい方から11番目に位置する。