公共機関や企業が収集、保有するデータを二次利用しやすい形で一般に公開する取り組み。また、公開されたデータそのもののこと。特に政府機関や自治体などが持つ人口、地理、気象、経済、医療、交通などの各種データは、公共サービスの充実や産業振興に活用できると注目を集めている。従来から、こうしたデータの一部はウェブサイトなどで公開されてきたが、データ形式の不統一や二次利用を禁止する規定などが障壁となって、十分に活用されてこなかった。しかし近年では、こうしたデータを公開し、民間ビジネスでの利用を促す動きが欧米諸国を中心に活発化。例えば、アメリカでは2009年に政府が保有する公共データを一括して提供するポータルサイト「DATA.gov」が開設され、13年6月までに約40万件ものデータが公開された。また、イギリスやフランスでも政府が公開を積極的に推進している。これらの国に比べて取り組みが遅れていた日本でも、12年1月から人口や公共施設、文化財などのデータを公開している福井県鯖江市の例をはじめ、地方自治体などが独自に取り組むケースが増加。13年6月に第二次安倍政権がまとめた成長戦略にも、各府省が持つデータの形式を統一し、一括検索できるシステムの導入など、オープンデータ推進の方策が盛り込まれた。