2013年6月に、第2次安倍晋三内閣が日本経済の活性化のために策定した日本再興戦略の改訂版。14年6月24日に閣議決定された。アベノミクスによって日本経済が上昇に向かうなか、持続的に経済成長を軌道に乗せるために、さらなる構造改革が欠かせないとして、重要な10項目の課題に取り組むことを示した。日本の「稼ぐ力」(収益力)を取り戻すためのプランとしては、(1)コーポレート・ガバナンスの強化、(2)年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成の見直し、(3)大企業によるベンチャー企業支援を促す「ベンチャー創造協議会(仮称)」の創設、などを提示。加えて、国を変える施策として、(4)成長志向に重点を置いた法人税改革のため、数年で法人実効税率を20%台まで引き下げること、(5)科学技術イノベーションの推進、ロボット市場規模の拡大、などを示した。また、働き手を生み出すために、(6)女性の活躍を推進するためのしくみの整備、税や社会保障制度の見直し、(7)働き過ぎ防止の取り組み強化、成果で評価される新たな労働時間制度の創設といった働き方の改革、(8)外国人技能実習制度の見直し、など、外国人が日本で活躍できる環境の整備を掲げた。さらに、新たな成長の原動力となる産業や、地域の支えとなる産業の育成のため、(9)攻めの農林水産業を展開し、(10)健康産業の活性化と質の高いヘルスケアサービスを提供する、とした。政府はこれらの実現へ向け、企業や国民に具体的な行動を促していく方針。