イギリスの銀行券発行や金融政策を行う中央銀行。イギリスとフランスがプファルツ継承戦争で交戦中だった1694年、軍事費などの資金調達に苦しむイギリス政府を支援するために設立され、中央銀行としては世界で2番目に古い歴史を持つ。当初は民間銀行の一つだったが、1844年に制定されたピール銀行法により、銀行券を独占的に発行する中央銀行として位置づけられ、第二次世界大戦後の1946年に国有化された。イギリスでは、92年に政府が物価上昇率の目標を定めるインフレ目標政策(インフレターゲット)を導入し、以後、財務大臣が定めた物価目標の達成に向けて同銀行が金融政策を実施するようになった。実際の物価上昇率が目標から一定以上乖離(かいり)した場合には、同銀行総裁はその原因や対応策などを財務大臣に説明する義務を負う。2012年11月には、13年7月に就任する次期総裁にカナダ銀行(BOC)総裁のマーク・カーニーが選ばれたことが発表され、300年以上の歴史を持つ同銀行で初めての外国人総裁として注目を集めている。