国、企業などの債券の発行元が、守るべき誓約条件に反したことによって、資金面では支払い能力があるのに元本の償還や利払いが滞った状態。格付け会社が認定を行うもので、経済の破綻などで支払い不能になる、本来のデフォルト(債務不履行)とは異なる。アルゼンチンでは、2001年にデフォルトに陥った際、同国の国債を保有するほとんどの債権者から債務減額の合意を得た。しかし、減額に応じなかったアメリカの投資ファンドが全額の返済を求めてアメリカの裁判所に提訴。14年6月、アメリカ最高裁がファンドの訴えを支持する判断を示した。これに伴い、アルゼンチン政府はアメリカ投資ファンドへの返済を行わない限り、債務の減額に応じた債権者への利払いもできなくなってしまった。アルゼンチン政府と投資ファンドは、7月30日までに交渉をまとめることとなったが、もし、交渉がまとまらなければ、アルゼンチンはテクニカルデフォルトに認定される可能性がある。認定されるとさらなる通貨の切り下げやインフレが予想され、アルゼンチンの国際的な立場はいっそう苦しくなる。この他の例としては、13~14年にかけて、アメリカ議会が、連邦政府が発行できる国債総額の上限である債務上限の引き上げを拒否し、アメリカ国債の元利支払いが危ぶまれる事態が生じた際にも、テクニカルデフォルトに陥る可能性が指摘されていた。