インターネット検索サービス大手のヤフー(本社・東京都港区)が2015年3月30日に公表した、検索結果の削除に応じる際の基準。削除については、削除を求めている人の属性と、プライバシー保護の必要性が高いかどうかといった情報の性質に応じて、個別に判断するとしている。例えば、削除を求めている人が、議員や著名人などの公益性が高い人物の場合は削除を慎重に検討する一方、未成年者の場合には削除の可能性が高くなる。特に削除される可能性が高い情報としては、一般人の氏名、住所、電話番号、病歴、すでに長期間経過した過去の軽微な犯罪に関する情報など。それらが削除される場合は、該当部分の情報のみが削除され、リンク先ウェブページへのリンク情報は検索結果に残る。ただし、リンク先ウェブページの管理者やプロバイダーに対して削除を命じる裁判所判決(または決定)が出た場合には、原則として検索結果からリンク情報が削除される。また、生命や身体に対する具体的な危険を生じさせる可能性がある場合や、第三者の閲覧を前提としない私的で性的な画像が掲載されている場合など、権利侵害が明らかで重大な場合は、判決がなくても例外的にリンク情報が削除される可能性が高い。国内の検索事業者で、検索情報の削除基準を明確にして公表するのは初めて。同社では、14年11月に「検索結果とプライバシーに関する有識者会議」を設置し、個人から検索結果の削除を求められた場合の条件を検討してきた。15年3月31日から基準に則った検索サービスの運用を開始している。