経済基盤に弱さを抱えるため、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)による量的金融緩和縮小などで経済的影響を受けやすい新興国5カ国の通貨の総称。アメリカの大手投資銀行、モルガン・スタンレーによる命名。「脆弱な5通貨」とも呼ばれる。トルコリラ、インドルピー、ブラジルレアル、南アフリカランド、インドネシアルピアを指し、これらの5カ国を指す総称として使われることもある。高インフレ、経常収支の赤字、外国資金への依存度が高いという共通した特徴があり、市場では世界経済混乱の要因として認識されている。2013年5月にFRB のバーナンキ議長(当時)が金融緩和縮小を示唆すると、これらの国々で通貨下落が際立ち、市場で注目されるようになった。12月18日にFRBが金融緩和縮小を決定すると、再び通貨下落に見舞われ、14年1月15日にブラジル、28日にインド、トルコ、29日に南アフリカが相次いで利上げをするなど、通貨防衛策を取った。