農業協同組合法(農協法)は、農業生産力の増進や農家の経済的、社会的地位の向上を図る農業協同組合(農協)などの組織について定めた法律。施行は1947年。2015年8月28日、約60年ぶりの抜本的な制度改革となる改正法が成立した。改正法の柱となるのが、農業共同組合(JA)の指導監督機関である全国農業協同組合中央会(JA全中)の権限縮小。JA全中は19年9月末までに現在の特別民間法人から一般社団法人に移行することになり、地域農協に対する監査・指導権も廃止される。地域の農協などに強い影響力を持ってきたJA全中の統制を弱めて、地域農協の経営の自由度を高めることで、地域ごとの創意工夫による競争力強化を進めることが狙い。地域農協の理事の過半数は、将来性などを自治体が認めた農業者や農産品販売の能力が高い者とすることも定められた。また、農協が農業者に事業の利用を強制しないことや、JAの中で主に農畜産物の販売や生産資材の供給など経済事業を行う組織全国農業協同組合連合会全国農業協同組合連合会(JA全農)の株式会社化を可能にする規定も盛り込まれた。改正法の施行は16年4月1日。安倍内閣は農協改革を岩盤規制改革の柱の一つと位置づけており、改革が着実に進むかどうかに注目が集まっている。