日本銀行(日銀)が2016年1月28~29日に開催した政策委員会・金融政策決定会合で導入を決定した金融政策。2%の物価安定の目標を早期に実現するためのもので、量、質、金利の3次元で金融緩和を図るとしている。金利面では、金融機関が日本銀行当座預金に預けている預金の金利の一部をマイナス0.1%に引き下げる。日本の金融政策で初めて、マイナス金利が導入される。具体的には、民間銀行は一定の金額を準備預金(所要準備額)として日銀当座預金に預けることが法律で義務付けられているが、これを超える部分である超過準備預金に対してマイナス金利を適用。民間銀行による資金の貸し出しを増やし、景気を刺激するのが狙いで、2月16日から適用される。ただし、マイナス金利の導入には政策委員の中に慎重な意見もあり、賛成5、反対4での決定だった。量の面では、マネタリーベース(日銀が供給する通貨。紙幣、貨幣、日銀当座預金の合計)が年間約80兆円に相当するペースで増加するように、金融市場を調整することを決定。また、質の面では、資産の買い入れを進める。具体的には、(1)長期国債について、保有残高が年間約80兆円に相当するペースで増加するよう買い入れを行う、(2)上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)については、保有残高がそれぞれ年間約3兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買い入れを行う、(3)コマーシャルペーパー(CP)などは約2.2兆円、社債などについては約3.2兆円の残高を維持する、とした。日本銀行では、これらの手法を用いて、2%の物価安定の目標実現を目指し、それが安定的に持続するのに必要な時点まで、本政策を継続していくとしている。