金融機関が自らを振出人、支払人として振り出す小切手のこと。自己宛小切手、預手(よて)とも呼ばれる。信用度が高いことから現金と同様に取り扱われ、多額の現金授受によるリスクや手間を省くために用いられる。振り込め詐欺など特殊詐欺の2014年の被害額が過去最悪の約560億円に上る中、各地の金融機関や警察などが、詐欺被害の防止策として記名式線引預金小切手の利用を勧める取り組みを始めている。記名式とは受取人の名前を小切手に記載するもので、不正に小切手を拾得した第三者は現金化することができない。また、線引とは、受取人と取引がある金融機関でしか小切手を現金化できないものをいう。ともに安全な取引ができる方法であり、詐欺被害を未然に防ぐことにつながるため、高額取引を希望する高齢者に利用を促すこととしている。13年12月に静岡県警が最初に取り組みを始め、1年間に約4億円の被害を防いだ。