1999年7月制定の食料・農業・農村基本法第15条に基づき、同基本法の掲げる理念を具体化するための総合的な計画。5年ごとに施策の効果や情勢の変化を見ながら見直すことになっている。2015年3月31日に、00年、05年、10年に続く4回目の基本計画が閣議決定された。今回の基本計画では、農業の構造改革を通じて農業や食品産業を成長産業化していく「産業政策」と、農業・農村の多面的機能の発揮を促す「地域政策」を両輪として施策を推進するとした。取り組むべき施策としては、農業・農村の6次産業化、食品産業の海外展開の促進、都市と農村の交流による農村の振興、農業の持続的な発展に向けた担い手の育成などが挙げられている。25年度の食料自給率の目標は、実現可能性を考慮してカロリーベースで現行の50%から45%に引き下げる一方、生産額ベースでは70%から73%に引き上げ、付加価値の高い農産物の生産に力を入れた。今回、新たな指標として、輸入が途絶えた場合に国産でどれくらい食料を供給できるかを示す食料自給力を提示。政府の試算では国民一人が1日に必要な2147キロカロリーに対し、コメを中心に栄養バランスを考慮して生産した場合は1495キロカロリーしか供給できない。一方、イモ類を中心に生産すると最大で2754キロカロリーが供給可能となる。同指標を導入することで、食料の安全保障に対する国民の議論を深め、食料の安定供給を確保する取り組みを促進することが目指されている。