地上アナログテレビ放送の終了後に空いた周波数帯(VHF-Low帯99~108メガヘルツ)を利用して新たに創設された無料のマルチメディア放送サービス。株式会社エフエム東京(本社・東京都千代田区)が中心となって設立した株式会社BIC(本社・同)などがサービスを提供する。2016年3月1日に、関東・甲信越、近畿、九州・沖縄の3エリアでプレ放送サービスを開始した。受信環境が整っていれば、原則として契約は不要。デジタルデータなら映像、音声、データなど何でも送信することができ、テレビでもラジオでもない、第3の放送と言われている。放送波で送信するので通信のような輻輳(通信の集中による混雑)が生じないほか、不特定多数に情報を送ることも可能。チューナー内蔵の「i-dio Phone」で視聴でき、手持ちのスマートフォンでも、専用アプリと放送波をWi-Fiに変換する「i-dioチューナー」を用いれば受信できる。16年4月には車載用チューナーが発売される予定となっている。チャンネルは、関東・甲信越が、(1)高音質でニュースや音楽を放送する「TS ONE」、(2)ドライバー向けデジタルラジオ「Amanekチャンネル」、(3)~(5)ジャンルごとの音楽を視聴できる「i-dio Selection」(ジャズ、クラシック、マスターピースの3チャンネル)、(6)アニメやショートムービーが見られる映像チャンネル「i-dio Creators Ch.」、の6チャンネル。近畿では「KANSAIチャンネル」、九州・沖縄では「Qリーグチャンネル」がそれぞれ加わり、オリジナル番組や、前者ではFM OSAKA、後者ではFM FUKUOKAを視聴できる。さらに、災害時にエリアごとのきめ細かい情報を届ける緊急情報配信システム「V-alert」などの安全情報も配信する。サービスエリアを徐々に拡大していき、19年7月までに全国で提供する予定。