投資家から集めた資金をインフラ事業に投資する金融商品の総称。電力やガス、水道、交通などのインフラ開発、運営を行う特定目的会社に出資し、事業から得られた利益や事業会社の株式などを、投資者への配当にあてる形態が一般的。投資対象の性格上、比較的、長期にわたる安定的な資産運用に向いているとされる。欧米では1990年ごろから発展を見せ、主に機関投資家などから注目されるようになった。近年、新興国を中心として、インフラ需要は高まりを見せているが、政府機関などだけでは資金調達が困難なケースも多く、民間資金の活用が求められている。そうした動きにともなってインフラファンドに対する期待も高まりつつあり、2013年1月末時点で世界の上場ファンドは約50銘柄、時価総額10兆4000億円に上る。日本でも、東日本大震災からの復興事業などでインフラ需要が高まっていることから、13年5月には日本取引所グループ(本社・東京都中央区)が15年度をめどとしてインフラファンドなどの上場市場創設を検討すると発表した。また、東京都が発電事業の活性化を目的として12年10月に創設した、官民連携のインフラファンドも注目を集めている。