企業が税率の低い国や地域に子会社などを設立して利益を集め、課税を逃れることを防ぐための税制。イギリス領ケイマン諸島やパナマなど、外国法人の所得に対して低税率、あるいは無税の地域を指すタックスヘイブン(租税回避地)にちなみ、こう呼ばれる。日本では、1978年度の租税特別措置法改正によって導入され、外国子会社合算税制とも呼ばれる。日本の法人税率と比較して著しく税負担が低い国、地域で設立された外国子会社などの所得を、一定の要件のもとで日本の親会社などの所得とみなし、合算して課税する。ただし、現地に工場を持つなど、一定の基準を満たせば適用除外になる。当初は法人税率25%以下の国、地域を適用対象としていたが、各国で企業誘致のために法人税軽減の動きが相次いだことから、2010年度の改正で適用範囲は20%以下に変更された。しかし13年3月、イギリスが15年4月に法人実効税率を現在の24%から欧米主要国の最低水準である20%まで下げることを発表。各国で法人税軽減の流れは続いており、企業などからは改正後の適用基準でも実情に即していないとの意見が出ている。