同一業種の企業間で商品の価格や生産量、販路などに関して協定を結び、市場競争を避けること。同様に市場競争を制限するトラストやコンツェルンが企業合同などの結合形態をとるのに対し、独立した企業同士の協定であるのが特徴。販売価格の維持や引き上げを目的とする価格カルテル、生産量や在庫などを制限する数量カルテル、販売する地域などを制限する販売制限カルテルなどに区別される。公共事業などでの入札談合もカルテルの一種とみなされる。こうした協定は公正な市場競争を阻害し、生産の合理化や技術進歩を停滞させて消費者に不利益をもたらすため、世界各国で厳しく制限されており、日本でも独占禁止法上の不当な取引制限として規制の対象となっている。にもかかわらず、違反企業が摘発される例は後を絶たない。また企業活動のグローバル化が進む近年では、国際市場を舞台に複数の国の企業間で結ばれる国際カルテルが摘発されることも少なくない。2013年7月には、パナソニックと三洋電機が自動車部品をめぐる価格カルテルに関与したことを認めて、アメリカ司法省に罰金を支払うことで合意したケースがある。アメリカや欧州連合(EU)で日本企業によるカルテル関与が当局に罰せられる事例も度々起きている。