欧州中央銀行(ECB)の決定に基づき、ユーロ圏各国の中央銀行が、一時的な資金不足になった自国の金融機関に対し、通常よりも高い金利で緊急に資金を供給する手段。ユーロ圏における通常の資金供給では、適格な担保基準など、一定の条件を満たした金融機関に対してECBが資金を提供する。しかし、支払い能力を有する健全な金融機関であったとしても、何らかの理由によって条件を満たせなかった場合、通常の資金供給対象から除外される。これによって資金繰りが困難になった金融機関に、資金ショートが生じるのを回避するための制度としてELAが設けられた。ELAでは、各国の中央銀行が自国の金融機関に対して直接資金供給を行い、最後の貸し手としての役割を果たす。ECBの理事会は、ELAの利用や継続の可否、上限などを2週間ごとに決定するほか、ELAによる資金供給が、健全性に問題がある銀行への延命措置にすぎないと判断すれば、中止命令を出すことができる。近年の例では、ギリシャが2015年2月に通常の資金供給対象から除外され、ギリシャ中央銀行から国内の銀行に対するELAが行われている(同年7月時点)。