2016年3月1日に衆議院本会議で可決、同月29日に参議院本会議で可決、成立した16年度一般会計の当初予算。一般会計総額は前年度から0.4%増の96兆7218億円。高齢化に伴い医療や年金などの社会保障費は31兆9738億円となり、歳出全体の約3分の1を占めた。政府は、新規国債の発行額を除いた歳入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用)を除く歳出との収支である基礎的財政収支(プライマリーバランス)の、20年度の黒字化を事実上国際公約としている。そのため、16~18年度の3年間における社会保障関係費の伸びを1兆5000億円に抑える計画を立てており、16年度の増加幅は診療報酬の改定などで目安の範囲内となる4412億円となった。政府が掲げる一億総活躍社会に関する事業の予算は約2兆4000億円で、保育施設の増設や介護施設の整備などに充てる。防衛費は過去最大の5兆541億円で740億円の増額。歳入は、税収が5.6%増の57兆6040億円。歳入不足を補う新規国債発行額は34兆4320億円で前年度から約2兆4000億円減。政府は景気のテコ入れを図るため、4月5日の閣議で予算前倒し執行を指示。公共事業など約12兆1000億円の事業を対象に、9月末までに8割程度が契約済みとなるように目標を定めた。8割の目標はリーマン・ショックで景気が急激に悪化した直後の09年度予算以来。