国債の入札に特別な条件で参加できる資格。国債の安定的な消化と、国債市場の流動性の確保、向上を目的として、欧米の同様の制度を参考に財務省が2004年10月に導入した。特別参加者の条件は、財務省の指定を受けた特定の銀行や証券会社で、全ての国債の入札で発行予定額の4%以上の応札を義務付けられる。また、短期国債では原則0.5%、中期、長期、超長期国債では原則1%以上を落札しなければならない。こうした義務が生じる一方で、財務省が開催する会合に参加して、国債の発行時期や種類などについて同省と意見交換できるなどの利点がある。この資格を保有していなくても、国債の入札には参加できるが上記の義務や利点はない。16年5月末時点で国債市場特別参加者は22社。翌6月には国内銀行最大手の三菱東京UFJ銀行(本店・東京都千代田区)がこの資格の返上を決めた。日本銀行が同年2月に開始したマイナス金利によって国債の利回りが歴史的な低水準になり、資格を維持し続けるメリットが薄れたと判断したためと考えられる。