ノーベル賞6部門の一つで、経済学の分野で優れた業績があった人を顕彰する賞。2016年10月10日、選考元であるスウェーデン王立科学アカデミーは、同年の賞をアメリカのハーバード大学のオリバー・ハート教授(1948年10月9日、イギリス生まれ)、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)のベント・ホルムストローム教授(1949年4月18日、フィンランド生まれ)の2人に授与すると発表した。授賞理由は、「契約理論への貢献」。契約理論は、企業や個人が行うさまざまな経済活動について、どのような契約を結ぶのが最善であるのかを解き明かす理論。ハート教授は、契約の当事者が想定していない事態が起こる契約の不完備性について研究し、最適な契約のあり方を理論づけて契約理論の基礎を考案した。ホルムストローム教授は、経営者と株主の間で利害が対立する場合に情報を共有していることが重要であることを証明した。同アカデミーは、両氏の理論が経済学だけでなく幅広い分野に影響を与え、現実に経験する契約を理解するのに役立っていると評価した。授賞式は2016年12月10日にストックホルムで開かれ、賞金の800万スウェーデン・クローナ(約9500万円)が両氏に半分ずつ贈られる。なお、ノーベル経済学賞は、正式にはアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞という名称で、1968年にスウェーデン国立銀行が設立300周年の一環としてノーベル財団に働きかけて設立された。