日本銀行が金融市場調節のために行う長期国債の買い入れのこと。市場への円滑な資金供給や長期金利の安定化を目的として、1966年から実施されている。政府が国債を発行する際に直接買い入れることは財政法で禁止されているため、いったん市中で発行された後に、金融機関が保有する分を買い入れる。そのため、市中買い入れとも呼ばれる。2013年4月4日の金融政策決定会合で導入が決定された量的・質的金融緩和では、大規模な金融緩和策の一環として、長期国債の買い入れも拡大され、従来、月あたり約3.8兆円としてきた買い入れ額は月約7.5兆円に倍増。また、1年以上3年以下に限っていた満期までの期間を最大40年にまで延ばし、買い入れる国債の平均残存年限をそれまでの3年弱から7年程度にする。こうした変更に伴い、10年10月に導入された資産買入等基金は廃止し、通常の長期国債買い入れに一本化。また、日本銀行が保有する国債の残高を銀行券の発行残高の範囲内に制限する、銀行券ルールも適用を一時停止する。こうした大幅な緩和策に対しては、財政規律の弛緩につながると危惧する声も聞かれる。