株式市場や先物取引において価格の急激な変動があったときなどに、取引を一時的に中断させる措置。変動を強制的に抑えて市場の混乱を回避すること、投資家に時間的猶予を与えて冷静な判断を促すことを目的として、取引所が一定のルールに基づいて発動する。アメリカで1987年10月19日にニューヨークダウ平均が20%下落したブラックマンデーを契機として提唱、導入され、その後、ヨーロッパなどの先進国の株式市場では一般的に導入されるようになった。日本では株式の現物取引には導入されていないが、先物取引とオプション取引ではサーキットブレーカー制度を設けている。中国では2015年に相場が乱高下したことから導入を求める声が高まり、16年1月4日に導入。上海市場と深せん市場の代表的な銘柄で構成する株式指数CSI300の変動幅が前日終値比で5%上下した場合は15分間、全ての株式と先物の取引が中断され、7%を超えると終日停止となる。しかし、導入初日に株価が急落して取引中止、その後7日にも発動されるなど、売りの機会逸失を恐れる投資家の売り注文をかえって誘発することになり市場が混乱。同月8日に制度自体が暫定的に停止された。