日本銀行が2013年4月4日の金融政策決定会合で導入を決定した金融緩和の枠組み。同年3月に就任した黒田東彦総裁のもと初めて開かれた会合で打ち出された政策で、年2%程度の物価上昇を2年程度で実現し、長引くデフレから脱却することを目標とする。具体的には、金融調節の目標を従来の政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)から、資金供給量にあたるマネタリーベースに変更して、その「量」を増やすと同時に、長期国債や上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)の買い入れ拡大など、購入資産の「質」も考慮する。マネタリーベースは年間60兆~70兆円のペースで増加させ、12年末の138兆円を14年末には270兆円に拡大するという。また、長期国債、ETFの保有額も2年間で2倍以上にする。こうした緩和について、日銀は「量・質ともに次元の違う金融緩和」と表現しており、メディアでも「異次元の金融緩和」と報じられている。予想以上の緩和策として、市場でも驚きをもって迎え入れられ、発表直後から株価上昇と円安の勢いが加速した。