部屋の又貸し、転貸のこと。一般に、不動産会社などの管理会社が家主から物件を一括借り上げして入居者に転貸するサービスを指す。2015年に相続税が増税されたのを機に、賃貸住宅を建てると土地の評価額が下がって節税対策になると、サブリース方式でアパート経営に乗り出す人が増加。この方式では、一定期間家賃収入を保証することが多いが、周囲に新築のアパートが建てられるなどして、年とともに空き部屋が増えていった結果、保証されていたはずの家賃収入を管理会社が一方的に減額するといったトラブルが増えている。そのため、家主が借り入れた建設資金の返済に支障を来すケースも少なくない。また、契約書には家賃が変わる可能性がある旨が定められているが、必ずしも家主が理解していないのが現実であった。賃貸住宅の管理業務の適正化を図ることを目的として、11年に国土交通省の告示により、賃貸住宅管理業者登録制度が施行されたが、同制度では従来、業者に対して家賃の減額などのリスクを家主に説明する義務が明示されていなかった。そこで、同省では賃貸住宅管理業者登録規程および賃貸住宅管理業務処理準則の改正を行い、契約時に将来の家賃水準などが変わる可能性がある点を書面に明記し、重要事項として家主に口頭で説明することなどを義務づけた。16年9月から施行される。