中国の商業銀行などが販売する個人向けの高利回り資産運用商品。通常の銀行システムとは別のルートで資金を集めるシャドーバンキング(影の銀行)の代表的な商品で、銀行の1年物定期預金金利が約3%であるのに対し予想利回りが5~6%、なかには10%という高利商品もある。金利の高さで預金者を取り込んで急成長し、2013年6月29日には、中国銀行業監督管理委員会の尚福林主席が同年3月末時点の残高が8兆2000億元に達したと発表。実際の規模はこの数倍に及ぶとの指摘もある。集められた資金は、主に地方政府傘下の投資会社である融資平台を通して地方政府の不動産投資などに流れており、中国経済の減速で債務不履行に至るリスクが指摘されている。不動産投資規制の網を逃れる形で拡大してきたため、監視や規制が十分に行われてこなかったが、中国銀行業監督管理委員会は13年3月、銀行に対して理財商品の販売金額を銀行の総資産の一定割合に抑えるように通知した。