環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、日本政府と自由民主党が国内産業を保護するため、関税撤廃の例外と位置づけたコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の5項目の農産品。これらの項目は関税分類上、さらに細かい品目に分類されている。例えば「コメ」は玄米、精米のほか、加工品である米粉、もち、米菓などを含め計58品目。「牛肉・豚肉」はもも肉、ばら肉、ソーセージなど計100品目。「甘味資源作物」はサトウキビ、テンサイなど砂糖の原料となる農作物のほか、ケーキミックス、チョコレートなどの加工品も含め131品目。5項目全体で合計586品目になる。ただし、政府は品目の数は公表しているが、交渉の手の内を明かさないという理由から具体的な品目の内容は公表していない。財務省発表の貿易統計からある程度の具体的な内容を推測できるが、すべてを特定することは難しい。TPP交渉でこれらの関税が撤廃されると、海外から安い農産品が大量に輸入され、農業など国内産業は深刻な打撃を受けるといわれている。