政治家が自らの資金管理団体などに寄付をする際、いったん所属政党が選挙区に設けた政党支部などに寄付して金を迂回(うかい)させ、その後自らの資金管理団体に寄付させる手法。1994年に設けられた租税特別措置法の特例規定では、個人が国や自治体、政党、政治団体などに寄付をした場合、寄付額の約3割が所得税額から戻ってくるか、所得額から寄付額(総所得の4割まで)が差し引かれる優遇措置が定められている。ただし、政治家自身が自分の資金管理団体や後援会に直接寄付した場合は、「寄付した者に特別の利益が及ぶ」ケースとされ、税優遇の対象とはならない。ところが、一度、政党支部に寄付をし、その後、資金管理団体などに移動させれば、このケースとはみなされなくなる。2013年4月には、大阪府門真市の佐藤親太市議が、こうした手法を用いて10年までの6年間で計3700万円を自らの資金管理団体に移し、所得税の還付を受けていたことが発覚。その後、他の国会議員や地方議員でも同様の事例が相次いで発覚した。違法行為ではないものの、公益性の高い寄付を推奨し、国民の政治参加を促す目的で設けられた制度を悪用する手法だと問題視されており、法規制を求める声も上がっている。