少子高齢化が進み、選挙での高齢有権者の数の力が増大し、高齢者向けの政策が優先されること。2012年、第46回衆議院選挙の頃から、社会保障費の増加など、政策による世代間の受益格差が選挙制度の盲点として指摘されるようになった。内閣府が公表している13年版「高齢社会白書」によると、65歳以上の人口が総人口に占める高齢化率は、1985年の10.3%から2012年には24.1%に増加し、60年には39.9%に達することが予測されている。年齢別の投票率では年齢が高いほど投票率が高く、10年の第22回参議院議員選挙では、60歳以上世代が投票者数の44.5%を占め、政治勢力として多数派となっており、以後も増加する傾向がある。こうした状況から、政治家や政党は支持者を拡大するために、年金や介護・医療などの政策で、高齢者の利益を優先しているといわれる。内閣府の経済社会総合研究所の試算では、1950年生まれの人は、保険料や税金の負担より年金の受益が1.0%多いが、55年生まれ以降は-3.1%と負担超過になり、2010年生まれでは-13.0%と、若い世代ほど社会保障を通じた世代間不均衡は極めて大きくなる。