沖縄県うるま市の女性会社員を殺害したとして、在沖縄米軍の軍属の男が逮捕された事件。女性は2016年4月28日夜、ウォーキングに出かけたまま行方がわからなくなり、交際相手の男性が警察に通報した。その後、女性のスマートフォンの位置情報や防犯カメラの映像から米軍属の男が浮上。沖縄県警が男に事情を聴いたところ、女性の遺体を捨てたと供述、供述した場所から遺体が発見されたため、同年5月19日に死体遺棄容疑で逮捕した。容疑者は元米海兵隊員で嘉手納基地内にあるコンピューター関連企業に勤務していた。基地外に住み、公務外の行為だったため、日米地位協定の運用対象にはならなかった。逮捕当初、容疑者は性的暴行を目的に女性を襲い殺害したことをほのめかす供述をしていたが、その後、黙秘に転じた。同年6月9日、同県警は容疑者を殺人と強姦致死の疑いで再逮捕した。たびたび繰り返される米軍人や軍属らによる事件への抗議として、同月19日に那覇市で開催された県民大会には、主催者発表で6万5000人が参加した。沖縄県警によれば、沖縄が本土に復帰した1972年5月以降2015年末までの間に、同県で起きた米軍人、軍属らによる犯罪は、摘発されただけでも約5900件。うち574件を殺人や性的暴行などの凶悪犯罪が占める。1995年にアメリカ海兵隊員ら3人が起こした12歳の少女暴行事件と、それに対する大規模な抗議運動は、翌年の日米両政府による米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還合意へとつながった。