新任の外国の特命全権大使が日本に着任した際、元首からの信任状を天皇に提出する儀式。日本国憲法に定められた天皇の国事行為の一つ。皇居内の宮殿で行われ、外務大臣、または他の国務大臣がそばにつき従うこととされている。また、同儀式では、新任の大使が信任状とともに、前任者の解任状を奉呈する「解任状奉呈式」を行うことが通例となっている。大使一行の皇居への送迎は、宮内庁が大使の希望により皇室専用の自動車か馬車を提供しているが、宮内庁式部職によれば、ほぼ100%の大使が馬車を希望するという。馬車は皇居にある4種類の儀装車のうち、全長約4.5メートル、全高約2.4メートル、幅1.9メートルの「二頭曳き座馭式(ざぎょしき)」と呼ばれる馬車が使用される。明治末期から昭和初期に宮内庁の工房で職人が製造したもので、車体は漆塗り、内部は象牙の装飾品で飾られている。送迎は、東京都千代田区丸の内の明治生命館から皇居の宮殿南車寄までおよそ1キロの道のり。先導や護衛には、警視庁騎馬隊がつく。