巨大地震や火山噴火などの大規模災害に備えるための指針。最大限の人命保護や、公共施設の被害の最小化、迅速な復旧復興などを基本目標としている。2013年12月4日に成立した国土強靭化基本法に基づき、同年12月17日に国土強靭化推進本部において決定された。11年3月に発生した東日本大震災を教訓として、将来発生する可能性のある首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの大規模災害に対する具体的な施策として、密集市街地の延焼防止などの大規模火災対策、住宅や建築物、学校などの耐震化の促進、避難地や避難路の整備、超高層ビルなどの長周期地震動への安全対策、ライフラインの耐震化、重症患者の受け入れが可能な診療ユニットの活用、鉄道や道路などの交通の大動脈が分断・機能停止した際の代替ルートの確保などが盛り込まれた。14年5月に国土強靭化に向けた第1次の基本計画を閣議決定し、その後、地方自治体による地域の実情に合わせた計画の策定を支援するとしている。政府の2014年度予算案では、国土強靭化を推進するため、公共事業費が前年比12.9パーセントと大幅に増え、約5兆9600億円に達した。