2013年12月17日に第2次安倍晋三内閣が閣議決定した外交・防衛の基本方針。アメリカやイギリス、オーストラリアなどでは既に策定されているが、日本では初めて。自国の安全のみならずアジア太平洋地域を含めた国際社会の平和と安定に寄与するという、積極的平和主義を基本理念としている。目標として、(1)必要な抑止力の強化、(2)日米同盟の強化、(3)ルールに基づいた国際秩序の強化や紛争の解決に主導的な役割を果たすこと、を掲げている。さらに、核ミサイル開発を進める北朝鮮を批判し、尖閣諸島付近の領海に侵入、独自の防空識別圏を設定した中国の動きを懸念事項として明記。それらの動きに対抗するための外交の強化や防衛体制の構築、海洋監視能力などの領域保全の強化などを挙げている。また防衛装備品等の国際的な共同開発・生産に参加するため、武器移転の条件の明確化や厳格な審査、適正管理などを踏まえた上で、武器輸出三原則を見直す方針も盛り込まれた。これらの方針は、集団的自衛権の行使を容認することにつながり、これまでの基本戦略である専守防衛を骨抜きにするとの批判もある。