第二次世界大戦の戦没者を追悼するため、日本政府の主催で毎年8月15日に執り行われる式典。1952年5月2日に東京の新宿御苑で行われたのが始まりで、63年以降は毎年8月15日に行われている。65年からは日本武道館(東京都千代田区)を会場とするのが通例となった。82年には8月15日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とすることが閣議決定され、追悼式はその行事として行われている。追悼の対象となるのは、37年7月に開戦した日中戦争と、41年12月に開戦した太平洋戦争で戦没した軍人・軍属約230万人と民間人約80万人の計約310万人。式典には天皇皇后両陛下が臨席し、内閣総理大臣をはじめとした政府関係者や、全国の遺族代表数千人が参列。正午から1分間の黙とうを捧げる。戦後70年にあたる2015年の式典では、天皇陛下が例年ほぼ同じ文言を用いてきた「おことば」の中に、「さきの大戦に対する深い反省」という表現を初めて盛り込んだほか、「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」、「戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致す」などの新たな文言を挿入したことが注目された。15年の式典における遺族の参列予定者数は5525人で、そのうち戦後生まれが1109人(20.1%)と初めて2割を超えるなど、遺族の高齢化と参列者の世代交代が進んでいる。