第2次安倍晋三内閣が創設した新しい外交・安全保障機関。NSCはNational Security Councilの頭文字で、アメリカの国家安全保障会議のこと。日本版NSCはアメリカ版をモデルに構想され、同機関設置法案は2013年11月7日衆議院で可決された。設置法案によると、中核となるのは総理大臣、内閣官房長官、外務大臣、防衛大臣による「4大臣会合」で、最高意思決定機関として定期的に会合を持ち、中長期的な方針を決定する。防衛大綱、武力攻撃への対処など、国防に関する重要事項は現行の安全保障会議の枠組みを残し、総理、官房長官、総務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣、国家公安委員会委員長に副総理を加えた「9大臣会合」で審議する。周辺有事などに際しては、総理、官房長官、事態の種類に応じてあらかじめ総理に指定された国務大臣らを参集して「緊急事態大臣会合」を開き、事態への迅速、適切な対処を行うとしている。また、内閣官房に外交、防衛政策の基本方針や重要事項の企画立案、総合調整などを行う100人規模の「国家安全保障局」を新設すること、関係行政機関の長への資料、情報提供を義務付ける規定、関係者の守秘義務なども盛り込まれている。