河野談話は1993年8月4日に、当時、宮沢喜一内閣の官房長官だった河野洋平が、従軍慰安婦問題の調査に基づき、旧日本軍が慰安婦募集の強制連行に関与したことを認め、謝罪した談話。正式名称は、「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」。90年以降、主に日本と韓国の間で従軍慰安婦をめぐる謝罪・補償問題が浮上。92年7月には日本政府の調査結果を受けて、宮沢内閣の加藤紘一官房長官が旧日本軍の関与を認めて謝罪する談話を発表したが、強制連行については認めていなかった。それに対し、韓国政府は同月、強制連行があったとする報告書を発表。93年7月、日本政府は、韓国の元慰安婦16人に対する聞き取り調査を行い、翌8月に慰安婦の強制連行を認め謝罪する河野談話を発表した。
村山談話は、95年8月15日に閣議決定し、当時の村山富市首相が発表した談話。正式名称は、「戦後50周年の終戦記念日にあたって」。過去の日本の植民地支配と侵略をアジア近隣諸国に公式に謝罪する内容。93年には、細川護熙首相が所信表明演説で植民地支配と侵略への謝罪を明確にした。村山談話ではそれを継承し、第二次世界大戦を国策の誤りであったとする歴史認識を示した。村山談話は、発表直後、欧米諸国やアジア諸国に評価された。両談話は、政府の公式見解として、歴代の内閣に継承されている。