防衛省設置法は、防衛省の設置および同省が自衛隊の管理・運営などを任務とすることなどを定めた法律。2015年6月10日に改正法が成立。改正法12条では、背広組(防衛官僚)と呼ばれる官房長、局長が行ってきた大臣補佐は、制服組(自衛官)と呼ばれる統合幕僚長、陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長による大臣補佐と相まって行われることを明記。背広組と制服組が対等の立場であることが明確にされた。改正前は、防衛大臣が幕僚長に指示をする際、官房長および局長が大臣を補佐すると規定され、背広組が優位となる文官統制が行われてきたが、対等となったことでこれは全廃された。日本が先の戦争に至った経緯の反省から採り入れた、政治が軍事に優先するという文民統制(シビリアンコントロール)の弱体につながると指摘されている。民主党、共産党は改正法の採決に反対した。防衛装備品の研究開発、調達、輸出などを一括して担当する外局である「防衛装備庁(仮称)」の新設も盛り込まれた。同庁は、14年4月に閣議決定された「防衛装備移転三原則」を受けて新設された組織。事務官および技官約1400人、自衛官約400人の体制で15年10月の発足を目指す。また、防衛装備・技術協力など、国際協力分野の政策課題に取り組むための根拠として、防衛省の所掌事務を規定した第4条に、「所掌事務に係る国際協力に関すること」が追加された。防衛装備品に係わる権限が集中するため、チェック機能が働くのかが危惧されている。