日本の安全保障に関する機密情報の取り扱いの制限や、情報漏えいに対する罰則などを定めた特定秘密保護法において、運用の適切性を監視する役職。特定秘密の指定と解除が適正かどうか、独立した公正な立場から検証、監察できる新たな機関の設置を政府の義務と定めた同法附則9条に基づき、2014年10月に閣議決定された特定秘密保護法運用基準で内閣府に新設すると定められた。20人規模の事務局である情報保全監察室の室長も兼ねる。管理監は、特定秘密の指定権限を持つ19の行政機関に資料の提出や、説明、実地調査を求めることができ、行政機関職員などからの内部通報を受けた調査も行う。不適切な指定については指定を解除するよう是正措置を勧告できる。また、原則で最長60年の指定期間を終えた文書が公文書館に適切に移管されているか、不当廃棄されていないかなどの検証も行う。ただし、大臣などが「安全保障に著しい支障を及ぼす」と判断した場合には、資料提出などを拒否できるとされている。政府内の新設機関であることや、管理監や職員に官僚が起用されることから、監視権限の弱さは否めず、独立性について批判がある。同法が施行された同年12月10日、初代管理監に検察官出身で法務省法務総合研究所研修第一部長の佐藤隆文氏が就任した。