第2次安倍内閣による経済、財政運営の基本方針を示した文書。正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」で、内閣府の経済財政諮問会議が策定し、2013年6月14日に閣議決定された。09年の麻生内閣以来、4年ぶりの策定となる。「脱デフレ・経済再生」という副題のもと、景気回復と財政健全化を両立させることを大きな目標とする。景気対策では、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略からなる「3本の矢」を柱とした一連の経済政策を推進することで、低成長とデフレからの早期脱却を図り、13~22年度の平均で実質国内総生産(GDP)成長率2%程度の経済成長を目指すとした。一方、財政健全化の取り組みについては、国と地方の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)のGDPに対する赤字比率を20年度までに黒字化するとした。そのための歳出削減策として、年金や高齢者医療、生活保護などの社会保障について「聖域とせず見直しに取り組む」と明記したほか、公共事業、地方財政についても効率化がうたわれている。ただし、財政健全化の具体策については、13年8月にまとめる中期財政計画で示す予定となっており、目標達成に向けて、実際に有効な政策を実施できるかが注目されている。