日本経済活性化のため、地域や分野を限って規制緩和や税制優遇などの特別措置を実施する制度。第二次安倍晋三内閣が2013年6月に閣議決定した日本再興戦略に創設が盛り込まれた。メディアではアベノミクス戦略特区と通称されることもある。地方主導の傾向が強かった従来の特区制度とは異なり、政府主導で実施地域を決め、国全体の競争力を高める国家戦略の観点から特別措置を定めるのが特徴。また、バーチャル特区として、地域に限らず特定の分野についても特区と認める。優れた外資系企業を誘致するため、国際的なビジネス環境を整えることにも重点を置いている。13年7月に有識者らを集めて開かれた作業部会では、特別措置の例として、外国人医師に医療行為を認めるなど、医療、介護、農業分野への外国人労働者の受け入れや、解雇規制の緩和、オフィスビルの容積率規制の緩和などが提案された。政府は同年8~9月に地方自治体や民間企業からも具体的な提案を募集。同年秋には安倍首相をトップとする国家戦略特区諮問会議を立ち上げ、実施地域や特別措置の内容を決定する。