2016年4月13日に投開票が行われた韓国第20代国会議員の総選挙。与党であるセヌリ党は、候補公認の段階で朴槿恵(パク・クネ)大統領を支持する「親朴派」が、大統領とは距離を置く「非朴派」を公認漏れにするなど内部対立が顕在化し、支持率を低下させて苦戦。選挙の結果、定数300議席に対し、セヌリ党は選挙前の146 議席から122議席に後退。目標としていた過半数に達しなかったばかりか、第二党に転落した。同党の金武星(キム・ムソン)代表は14日、選挙の惨敗を受けて引責辞任を表明した。野党では、「共に民主党」が102議席から123議席となり第一党に。16年2月に「共に民主党」から離党したメンバーが結成した「国民の党」は、20議席から38議席とほぼ倍増の躍進を遂げた。その他、正義党が6議席、無所属が11議席を獲得した。セヌリ党は同月15日までに、同党を離党して無所属で出馬し当選した7人の復党を認め、議席数を129議席として、かろうじて第一党を確保した。与党セヌリ党の大敗により、朴大統領の求心力低下は避けられない状況となった。投票権は満19歳以上で、今回の投票率は58%(前回比3.8ポイント増)。特に政権批判意識が高まっている20代、30代の投票率が大きく伸び、それらの票が野党へと流れた。野党第二党の「国民の党」がセヌリ党と組めば過半数に達することから、その動向が注目されており、同党の安哲秀(アン・チョルス)常任共同代表は国会運営において主導権を握る考えを示した。同氏は17年末の大統領選挙への意欲も見せており、今後の政局における存在感が高まっている。