憲法解釈の変更で、集団的自衛権の行使を認めさせようとする安倍晋三政権の政治手法に危機感を抱く学者らが結成した、政治と憲法の在り方を考える会。哲学者の内田樹(うちだたつる、神戸女学院大学名誉教授)、宇宙物理学の池内了(いけうちさとる、名古屋大学名誉教授)、経済学の金子勝(慶応義塾大学教授)、社会学の上野千鶴子(立命館大学特別招聘教授)など、さまざまな分野の学者、約50人が呼びかけ人となり、2014年4月18日に設立。共同代表は、憲法学者の奥平康弘(東京大学名誉教授)と、政治学者の山口二郎(法政大学教授)の2人。設立趣旨では、個人の尊厳や自由をないがしろにする為政者の暴走に歯止めをかけるのが立憲デモクラシーであることを強調。憲法9条の実質的な無意味化につながる集団的自衛権の是認を、憲法解釈によって実現させようとする安倍政権の手法を批判し、憲法に従った政治を回復する運動を展開することを表明した。呼びかけ人の約半数が、憲法改正の手続きを定めた96条の要件緩和に反対する「九六条の会」(13年5月結成)にも参加している。