2015年5月22~23日に福島県いわき市で開かれた第7回大平洋・島サミット(PALM7)で採択された共同宣言。同サミットは、太平洋地域の島しょ国、地域が直面する問題について話し合う首脳会議で、1997年の第1回以降、3年に1回、日本で開催されている。第7回には日本のほかに、パプアニューギニア、フィジー、パラオなど太平洋の島国14カ国の首脳と、オーストラリア、ニュージーランドの閣僚が参加。「共に創る豊かな未来」という副題がつけられた共同宣言では、(1)防災、(2)気候変動、(3)環境、(4)人的交流、(5)持続可能な開発、(6)海洋・漁業、(7)貿易・投資・観光の7分野で特に協力を推進するとした。気候変動や災害などへの対策のため、日本がサミット後の3年間で550億円以上の援助、4000人以上の人材育成と人材交流を行うことも盛り込まれた。海洋問題については、海洋進出の動きを強める中国の存在を念頭に、武力による威嚇や武力行使を伴わない、国際法に基づく紛争解決や秩序維持の重要性を強調。また、国連安保理改革や戦没者の遺骨収集で参加国が日本に協力するとした。1854年11月5日(旧暦)に発生した安政南海地震が大きな津波被害をもたらしたことにちなみ、毎年11月5日を「世界津波の日」と定める日本の提案も支持された。