テレビやラジオの放送における表現の自由を確保し、放送が健全な民主主義の発達に資することなどを目的として定められた放送法の中で、番組の編集にあたって放送事業者が守るべき項目を定めた条項。放送法は、第3条で法律に基づく場合以外、番組編集への干渉、規律はされないとする一方で、続く第4条では放送の社会的影響力の大きさを考慮して、放送の公平性などを事業者に求めている。具体的には、「公安及び善良な風俗を害しないこと」「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」の4項目からなる。2015年4月、自民党の情報通信戦略調査会がNHK「クローズアップ現代」のやらせ疑惑とテレビ朝日「報道ステーション」でのコメンテーターの発言を受けて、第4条を理由にテレビ局の経営幹部から意見聴取を実施。与党による放送内容への介入は表現の自由を損ねかねないと批判する声が上がった。