日本経済活性化のため、特定の地域に限定して規制緩和や税制優遇などの特別措置を実施する制度。第二次安倍内閣が2013年6月に閣議決定した日本再興戦略に創設が盛り込まれた。14年4月25日に、次の6カ所を特区に指定する政令が閣議決定され、それぞれの地域の目標や政策課題などが公表された。(1)東京圏。東京都千代田区、中央区などの都心部9区と、神奈川県、千葉県成田市から成る。世界から資金、人材、企業などを集める国際ビジネスの拠点づくりを進め、国際競争力のある新事業を創出する。(2)関西圏。大阪府、兵庫県、京都府から成る。再生医療をはじめとする先端医療の研究開発や事業化。チャレンジングな人材の集まるビジネス環境の整備を図る。(3)新潟市。農業の生産性の向上や、農産物、食品の高付加価値化による国際競争力のある農業拠点づくりと、農業分野の創業、雇用拡大の支援。(4)兵庫県養父(やぶ)市。高齢者の積極的活用、民間事業者との連携による耕作放棄地の再生、農産物、食品の高付加価値化など、中山間地域の新たな農業モデルの構築。(5)福岡市。産業の国際競争力強化のための雇用条件の整備による国内外からの人と企業の誘致、新規企業の創出。雇用の拡大。(6)沖縄県。観光リゾート地の整備や観光ビジネスの振興、国際的なイノベーション拠点の整備などで、外国人観光客の増加や研究者の受け入れを促進する。