自らの知識や技術を生かしたいという青年を開発途上国に派遣する国際協力機構、略称JICA(ジャイカ)の事業。1965年に、日本青年海外協力隊の名称で政府の事業として発足した。74年、国際協力事業団(現JICA)の発足に伴い、その事業として引き継がれ現在の名称となった。「開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与」「友好親善・相互理解の深化」「国際的視野の涵養(かんよう)とボランティア経験の社会還元」を目的として、20~39歳の青年を対象に春と秋の年2回募集を行い、選考、研修を経て、原則として2年間開発途上国に派遣される。協力分野は、農業、工業、保健衛生、社会福祉、教育文化、スポーツなどで、専門職種は約200種と多岐にわたる。2016年6月30日までに全世界に累計延べ4万1604人を派遣。同日現在、70カ国で2068人、うちアジア地域では18カ国で575人が活動を行っている。16年7月27日、フィリピンのラモン・マグサイサイ賞財団が、アジア地域に貢献した個人や団体に贈られ、「アジアのノーベル賞」とも呼ばれるラモン・マグサイサイ賞の受賞者に青年海外協力隊など3団体、3個人を選んだと発表した。日本人はこれまで23人が同賞を受賞しているが、団体としての受賞は初めてとなる。