海外で犯罪に巻き込まれて死亡した日本人の遺族などへの補償を定めた法律。正式名称は「国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律」。2013年2月にアメリカ領グアムで発生し、日本人3人が死亡した無差別殺傷事件などを契機に法制化が進められ、16年6月1日の参議院本会議で可決、成立した。同法では「日本国外で行われた人の生命・身体を害する故意の犯罪行為」を国外犯罪行為と定義。これにより死亡した日本人の遺族には被害者1人当たり200万円を、両目の失明などの障害が残った被害者には100万円を支給する。ただし、加害者と被害者に親族関係がある場合や、被害者が正当な理由がなく危険な地域に所在していた場合、被害者が犯罪を誘発するなどの行為があった場合には支給の対象外となることがある。支給を希望する者は、犯罪行為の被害を知ってから2年以内か、被害の発生時から7年以内に居住地を管轄する都道府県の公安委員会に申請する必要がある。なお、国内で犯罪に巻き込まれた場合には、犯罪被害者等給付金支給法(1981年1月1日施行)が定められており、同様の期間内に申請することで、被害者や遺族の状況に応じて18万~約4000万円が支給される。