自衛隊と米軍が緊密な連携、調整を行うことを目的とした常設の協議機関。2015年4月に改定された「日米防衛協力のための指針」(日米ガイドライン)で設置の方針が新たに盛り込まれ、同年11月3日に運用を開始した。自衛隊と米軍の調整メカニズムは1997年のガイドラインにも盛り込まれていたが、設置するのは日本での有事と朝鮮半島有事の際とされ、実際には一度も発動されていなかった。新メカニズムは平時から両者の一体的な運用について協議し、北朝鮮が人工衛星との名目で発車した弾道ミサイルや、武装漁民による離島占拠など、ただちに武力攻撃とは判断できないグレーゾーン事態にも対応できるようになる。また、大規模な自然災害が発生した際の日米協力にも活用される。機関は、(1)日本側の内閣官房、国家安全保障会議や外務省、防衛省とアメリカ側の国家安全保障会議、国務省、国防総省などの局長級などで政策面の調整を協議する「同盟調整グループ(ACG)」、(2)防衛省の統合幕僚監部などと米軍の太平洋軍司令部などが運用について協議する「共同運用調整所(BOCC)」、(3)陸海空の自衛隊代表と米軍の各組織代表が運用面の細かい調整を行う「各自衛隊及び米軍各軍間の調整所(CCCs)」、の3段階で構成。各段階で関係府省や担当者を決めておき、事態発生時の迅速な連携を図る。