日本とインドの間で2014年9月1日に交わされた、両国の連携強化をうたった政治声明。正式名称は「日インド特別戦略的グローバル・パートナーシップのための東京宣言」。日本を訪問中のインドのモディ首相と安倍晋三首相が、同日開催された首脳会談後に署名、発表した。経済分野では、インフラ整備や海外からの投資の誘致などを柱とするモディノミクスと呼ばれる経済政策を進めたいインド側と、日本企業によるインド市場へのさらなる進出を後押ししたい日本側、両者の思惑がかみ合う形で連携強化が進展。5年間で日本がインドに対して官民合わせて約3.5兆円規模の投融資を実現させると表明し、インフラ整備のために約500億円の円借款を供与するとした。また、5年以内に日本からインドへの直接投資と、インドに進出する日系企業数を倍増させることも目標として明記された。対するインド側は、税制改正や規制緩和によるビジネス環境の整備を行うとした。一方、安全保障分野では、海洋進出の動きを強める中国の存在を念頭に、海上自衛隊とインド海軍の共同訓練を定期化することや、アメリカとインドが実施している海上共同訓練に日本も継続的に参加することが盛り込まれた。ただ、日本側が希望していた外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)の開催や、日本の救難飛行艇US2のインド輸出については、最終的な合意には至らなかった。