地方の人口減少問題の解決や地方活性化を目的として策定された、2015年度からの5カ年の目標や施策をまとめた計画。14年9月に発足した第2次安倍改造内閣で地方再生の司令塔の役割を担うまち・ひと・しごと創生本部がとりまとめ、同年12月27日に閣議決定された。同日発表の、人口減少の現状や将来の人口展望を示した「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を踏まえたもの。同ビジョンの実現のため、東京への一極集中の是正や、若い世代の結婚、出産、育児の希望をかなえる、地域特性に即した課題解決を基本視点とする。そのうえで、20年を達成時期として、(1)5年間で計30万人分の若者の雇用を生み出す、(2)13年時点で年間47万人の地方から東京圏への転入者を年間6万人減らし、年間37万人の東京圏から地方への転出者を年間4万人増やして、転出入者数を均衡させる、(3)結婚希望の実現率80%、第1子出産前後の女性の継続就業率55%などの達成、(4)時代に合った地域を作り、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する、の四つの基本目標を数値目標とともに掲げた。具体的な施策としては、本社機能を東京から地方に移転させる企業を税制上優遇することや、地方企業に都市部の人材を紹介するプロフェッショナル人材センターの新設、地方への移住者に移住先の仕事や生活情報を提供する全国移住促進センターの開設などが盛り込まれた。また、15年以降は、地方自治体にも地方版総合戦略の策定を求めるとし、地方が自主的に対策に取り組めるよう、使途を制限しない新しい交付金の創設も明記された。